貧血は貧血でも、「鉄分不足の貧血」は偏頭痛に大きく関係しています。
鉄分は酸素を運ぶヘモグロビン(赤血球内)の重要な構成要素。
鉄分が不足すると、ヘモグロビンが十分に作られないので、貧血が起こります。
貧血が起こると、脳内にも酸素や栄養素がしっかりと届かなくなるため、十分なセロトニンを合成することもできなくなります。
セロトニンはこれまでに述べてきたように、鎮静効果によって偏頭痛を抑えたり、偏頭痛の大元のストレスを抑えて体に負担がかからないようにしてくれる重要なものです。
さらに、脳細胞のミトコンドリアでエネルギー生産もできなくなり、食事などによってやっと鉄分が補給されて血流が増加すると、一気にミトコンドリアの活動が増して、活性酸素を大量に出すという状態になるので、偏頭痛の引き金にもなりかねません。
鉄分は実はセロトニンなどの神経伝達物質を作るときの酵素を助ける「補酵素」として機能しているため、鉄分が十分潤っている体内ではセロトニンがスムーズに作られますが、鉄分不足だと、セロトニンの生成自体が出来なくなるわけです。
つまり、セロトニンの合成には、トリプトファンとビタミンB6とマグネシウムとナイアシンが必要!ということは知られていますが、実は「鉄分」も必要なことも最近の研究でわかり、貧血気味の人はセロトニンが不足して、悲しい時はより悲しく、寂しい時はより不安になりやすく、精神的な浮き沈みが激しくなりやすくなるのです。